以前、3月のツイートをまとめた記事を書きました。その中で「あぁ、これは記事にして残しておきたいな」と思いながらもウダウダして書いていなかったネタがありました。
それが今回のテーマ、ノンアイロンシャツです。
基本的に言いたいことはツイートに凝縮してありますが、「多少の補足を加える」「記事として残す」という目的から書き起こします。それではどうぞ。
ノンアイロンは便利
アイロンをかけるのは面倒
きっかけはこちらのツイートでした。
革靴を愛する紳士な皆さんはノンアイロンワイシャツは邪道と考えているのだろうか。いや!そんなことはないよ!と考えているのだろうか。僕はどうしてもアイロンをかけるのが面倒くさくて、ついついノンアイロンにしてしまいます。
— ヤマホトトギス (@n0BJVWsmfK5VrIc) 2019年3月17日
ほんっとーに、よくわかる。私も常々紳士ぶってはいますが、なんだかんだ言ってもシャツのアイロンがけを毎日やるのは面倒。もちろん冠婚葬祭や重要なイベントなど、気合を入れていくときにはビシっとアイロンかけますよ。ただそれを毎日のように洗濯される1枚1枚に施せるほど体力が余っているわけでもなく。
このご時世「愛する妻が毎日シャツにアイロンをかけてくれる」なんて風景は、無形文化遺産として保護してしかるべきものであり、まずお目にかかれません。加えて言えば、自分の衣装くらい自分でメンテナンスするのが自立した大人として当然の姿である訳ですが。
つまり、今時の成人男性にとってシャツのアイロンとは「自分でかける」か「クリーニングでかけてもらう」かのどちらかに絞られます(手間のかかる家事労働をロハで人に頼もうというのが許されない時代)。
それならばいっそクリーニングにだしてしまえば手っ取り早いという考えもアリっちゃアリですが、これにも2つの問題があります。
一つ目は料金。ドレスシャツのクリーニングは150~300円/1枚が相場のようです。わかりやすく200円で単純計算しても週5枚で1,000円、月辺り4,000円で年間だと48,000円。洗濯をする余裕もないキャリアマンか洗濯機を所持したくないミニマリストでもなければ躊躇してしまう金額です。
二つ目は品質。いかにクリーニング屋が洗濯やアイロンがけのプロであってもミスはつきものです。上等なドレスシャツに使用される貝ボタンが乱暴なアイロンによって割れたり、立体的な縫製をウリにしたシャツがペチャンコになって返却されてくるというのは良く聞く話。自分のミスで傷めてしまうのは納得できますが、業者に頼んでコレではたまりませんよね。
以上から、シャツは自分でアイロンをかけるもの!でも面倒だ!というのが私の想いです。
仕事で常用しているのはノンアイロン
仕事で常用しているのはノンアイロンです。毎日のアイロンが大変もありますが、着用中に肘周辺がシワになりにくいのもメリット。通常コットン100%は可動部がシワになりやすいのをジャケットで隠せますが、シャツ+ウェストコートでのデスクワーカーだと耐皺性が強い方が嬉しい。
— 一騎 (@aerodyne0739) 2019年3月17日
ノンアイロンシャツのメリットは「アイロンをかけなくてもいい」という一点に尽きるのか。答えはNO。
もちろん洗濯乾燥後にアイロン不要ですぐ着られるというのが最大のメリットではありますが、着用中にシワができにくいという点はなかなか触れられません。
綿100%のシャツは洗濯後のシワが強く表れるのと同じくらい着用中もシワができます。どれくらいできるかと言うと、鞄を持って電車通勤し会社でジャケットを脱ぐと肘の内側がガシガシになっているくらいです。これはもう避けようがない事象ではあるのですが、気合を入れてアイロンをかけたシャツにものの数十分でシワがつくとやるせない気持ちになります。
しかしノンアイロンのシャツは着用時もシワができにくく、ジャケットを脱いでも肘や腰などが綺麗な状態をキープしてくれます。少しくらいのシワができても湿らせる・軽く引っ張る等を行えば軽減できます。
すぐに着られる!綺麗な状態が長持ちする!ノンアイロンはビジネスマンにうってつけのシャツです。
通常の綿シャツにも良いところがある
タキシードは肘先の最低限しか動かさない想定の為、可動域を考慮しないギリギリのフィッティングを追求できます。同様に高級コットンもジャケットを脱がないor皺を楽しめる事を前提に、着心地とのトレードオフがあるように思います。素材・仕立の適性を考慮するとより楽しい、というお話でした。
— 一騎 (@aerodyne0739) 2019年3月17日
そこまで言うなら手持ちのシャツを全てノンアイロンにすればいいじゃないか。そういうわけにもいかないのが着道楽のわがままなところ。
本来すべての衣装には由来や用途があります。引合いに出したタキシードは動きの少ない儀式・式典での正装であり、直立した立ち姿が最も美しくなるように仕立てられています。通常のスーツではゆったりと仕上げる肩回り(アームホール)はかなりタイトに作られており、肘も最低限の動きしかできないようになっています。あえて乱暴な言い方をすればタキシードは「マネキンに着させるようなタイトフィット」が理想なのです。
同じようなことがシャツにも言えます。高級な綿素材のシャツはシワができやすい代わりに肌触りがとても心地よく仕上がります。また本来のスーツスタイルでは人前でジャケットを脱ぐことはタブーとされ、シャツは今で言うアンダーウェアのように人目に触れ無いものでした。ですからシャツのシワなどというものはそもそも気にするような問題ではなく、着心地の良さの方が重大事だったのです。
またこれからのシーズンに活躍する麻(リネン)のシャツは「シワを楽しむ」と言われる程、シワとは切っても切れない関係にあります。ある程度のカジュアルさが許容される場であれば、シャツのシワを色気に換えられるようなスタイリングを目指すのも一つの手でしょう。
つまり。あなたがシャツに対して何を求めるかが重要であり、その都度最善の選択をできるようになるのがスーツスタイルを楽しむために必要なのです。
終わりに
こういう事をブログの記事にすればいいのにね!明後日はメランコリア下巻/道満晴明の感想記事を書きたいですyeah
— 一騎 (@aerodyne0739) 2019年3月17日
ふぃ~、長らく放置していた 温めていたネタをようやくまとめることができました。
当初は各ツイートに2,3行のコメントを付け加えるだけのテキトー記事にするつもりだったのですが、気分よく筆が走りオーバーラン(約3,000文字)してしまいました。
んでんでんで。今回意外とツイートまとめが記事ネタになるという事がわかったので、今後もピックアップしてはまとめていきたいと考えております所存でござりまする。
それでは次回も、なにとぞよしなに