先日の記事から随分と日が経ってしまいました。
のんびりだらりとマイペースで進めていたのですが、ようやく一段落ついたので写真を挙げてみようと思います。
と、その前にあらかじめ言い訳を。
・今回はミシンをメインに使ってお裁縫しましたが、なにぶん小学校での家庭科振りの事ですのでかなり作りが粗いです。
・今回は試作品ということで一切製図を行わず、フィーリングで裁断・裁縫を行いました。当然ながらガタガタです。
さて、しっかりと予防線を張ったので早速出来上がりをご覧いただきましょう。
初めに
いかがでしょうか?いかがでしょうかと言われても何ともといったところでしょうが。
色としては私が好むアースカラー2色を選びました。遠目に見ると木のようです。このツートンの組み合わせを変えればいろいろなパターンが作れそうでとても楽しみです。
私は日用品に関して「機能性を追求した結果、デザインが生まれる」と思っています。ド素人ですが、なりに、一応そういう事を考えながら作っています。ので、細部について簡単な解説をば。
下
まずは先端となる下段ですが、徐々に細くなっていく円錐型にする為にダーツを6本入れました。手法としては隣り合う布同士を重ねて縫って、飛び出した余り布を裁つというものです。
これに関しては反省点が2つあります。
・ダーツ毎の布の巻込み量(?)が不揃いで全体のバランスがとれていない。
・縫い糸のギリギリまで布を裁ってしまったので、耐久性がやや低い。
よって、次回は布を斜めに重ねてスパイラル状に縫う手法に切り替えようと思います。言葉で表現するのは難しいので下記図参照。
うーん、たぶん右の方が縫いやすくて耐久性も上がると思うのですが。まぁ試作2号でやってみるしかありませんね。
中
続いて中段ですが、ここに関しては開きを大きくつくっています。
よく店舗等でビニールの傘袋が配布されていますが、あれってとても入れにくいですよね。原因としてはビニール素材が水に濡れて傘に張り付くことと、入れ口が丸い上部のみなので構造的に摩擦が大きいこと。この2つが大きいのではないかと考えました。
今回の傘袋作りにはフランネル生地を使用しているので吸水性が高く、一つ目の課題はクリアしています。そして二つ目の課題をクリアする為に横のスリット部分を大きくとりました。
これによって傘を横から滑り込むように入れることが出来るため、傘と袋の摩擦を最小限に抑えてスムーズな出し入れが可能となっています。
ボタン留め
しかし、ただ大きく開いているだけだと収納時に中段が開きっ放しになってしまい格好が悪いです。そこでボタン留めをすることにしたのですが、ひと手間かけて比翼仕立て(隠しボタン)にしました。
このボタンには白く美しい貝ボタンを採用しています(オーダーシャツに付属するスペア)。勿論オープンにしてもいいのですが、試作品ということで比翼に挑戦してみました。ネイビー生地なんかに付けるのであればオープンの方が映えそうです。
上
そして上段の留めにはバリテープ(ヤメテー)を採用しています。やはり一番開閉が多い部分なので手軽に留められることを優先しています。
ここに関しては今回はあまり工夫を入れることが出来ませんでした。なんせもう、疲れちゃって。
というわけで次回はここに以下の2つデザインを盛込みたいと思います。
・台場仕立てによる曲線美のある留め部分。
・バリテープの縫い目を隠すためのワンポイント追加。
一つ目はスーツの身頃(胸の裏側)によく採用される仕様です。ちなみに私は今の所、スーツに台場を付けたことはありませんが。だってあれは生地が薄めで芯地の少ないイタリア仕立てにおいて身頃をしっかりと立たせる為に生まれた技法であって、もともとハリの強いイギリス仕立てにとっては装飾以上の意味合いがないんですよ。そんな見栄の為だけのオプションなら不要というのが私の信条でありまして、そういう観点から言えば切羽開きも・・・(略)。
二つ目はどのようなデザインにするかある程度の構想は固まっていますが、次回のお楽しみという事で秘しておきます。次回も見てくださいね!
畳みやすさ
そして最後に、この傘袋は上中下段の3段構造となっています。これは傘袋を綺麗に畳んでコンパクトに持ち運ぶことを目的としています。
終わりに
以上のように、私の傘袋試作1号機”ゼフィランサス”が完成しました。作って晒しておいて何ですが、反省点や課題が多々あります。しかしこれも至高の傘袋を作る為の第一歩、ということで公開致しました。
もしこの記事をご覧になった方で、デザインの方向性や縫い方等にご意見ご感想があれば是非とも頂戴致したく存じます。
てかふつーに、この記事に限らず、コメント等頂けると嬉しいです。
それでは次回も、なにとぞよしなに