今日のテーマはカフリンクスです。カフリンクスは日常的なスーツスタイルにおいて合法的に装着できる数少ないアクセサリーの一つです。
しかし世間一般では結婚式御用達のスペシャルアイテムという認識が根付いており、周囲を見回してもなかなかお目にかかれません。
そこで今回はカフリンクスの由来や種類、購入先を紹介する事で、あなたの普段のスーツスタイルに華を添えていければと思います。
カフリンクス(カフスボタン)とは
カフリンクス(cufflinks)はシャツの袖口(カフ:cuff)を留める(リンク:link)為のアクセサリーで、日本では”カフスボタン”という呼び方でも親しまれています。
-----wiki引用-----
カフリンクスは17世紀のフランスに始まったとされる。当時は袖の装飾としてレースやリボンなどを使用していたが、それらの代わりに金や銀のボタンを金属製の鎖でつないだもので留めるようになったのがカフリンクスの起源といわれている。当時のカフリンクスはもっぱらハンドメイドで制作された上流階級のものであったが、産業革命により大量生産が可能となり一般にも普及していった。
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上記のようにカフリンクスは上流階級の装飾品を発祥です。現在シャツ袖口の留め具としてはボタンが一般的ですが、ボタンは元々装飾品だったという説もあり、袖口の留め具としてはカフリンクスの方がクラシックとも言えるでしょう。
効用
そんな上流階級の遊び心から広がったカフリンクスですが、今日の日本のビジネススーツを眺めてみても中々お目にかかれません。しかし私はカフリンクス故の利点があると考えています。
個性を発揮できる
あえて言いましょう。今の日本で日常的にカフリンクスを装着している人は少数派です。そもそも日本においてスーツはビジネスマンのユニフォームであり、「着ることを余儀なくされている」ものです。自発的に着ているわけではないので洒落っ気を出したり、装う事自体を楽しむ人が多くありません。
しかし言い換えると。スーツは1日の半分以上、あなたの身体を包んでいる衣装です。パジャマよりも仲良しです。折角ならスーツを楽しめる方が、楽しまないより良いと思いませんか?
少し脱線しましたが、大勢が「ジャケット・シャツ・ネクタイ・時計・ベルト・パンツ・革靴」という最低限の装備しか身に着けていない中で、「カフリンクス」を1つ付け加えるだけでも大きな差別化が可能となるのです。
目立ち過ぎない
とはいえ。仕事柄や趣味嗜好から「あまり目立ちすぎるのはちょっと・・・」という思われる方も多いでしょう。そんな方にこそオススメしたいのがカフリンクスなのです。
カフリンクスは金色やカラフル等の悪目立ちするものを避ければ、極端に他の人の目を引くということはありません。また普段はジャケットに隠れたり相手から見て裏側になったりと、露出する面積もタイミングも少なめです。
それでも、ふとしたタイミングでチラっと見える。そんな”さりげないお洒落”を演出してくれるのがカフリンクスなのです。
(カフリンクスが特に効果を発揮するのは握手をする時です。普段はジャケットに隠されていても、腕を前に出すと自然とシャツの露出が増えます。そして人間の目は動くモノを追いかけるので握手する手に目線が向きます。その際に一瞬だけ相手の視界に入り無意識に印象に残る。これがカフリンクスの妙です。)
種類
ここまででカフリンクスの由来と、今なお日常使いで役に立つという事をご理解頂けたでしょうか。続いてはカフリンクスの代表的な4種類を紹介します。
チェーン式
フェイス(表側)とパッキング(裏側)を鎖で繋いだもので、カフリンクスの中では最も古典的です。留め具とボタンホールの大きさが噛み合わないと付け辛かったり、逆にすぐに抜けてしまったりするので注意が必要です。
スナップ式
フェイスとパッキングがスナップボタンで留められています。完全に分離するので付け外しがしやすいですが、紛失にはくれぐれもご注意を。
スイベル式
丁字状の留め具を用いた物で、その使いやすさから現在最も一般的なタイプです。難を言えばパッキング側の装飾性が低い所でしょうか。
紐式
シルクやゴムを編んだものでカジュアル向きです。価格が安い反面、金属製よりも耐久性が低いです。
装着できるシャツ・できないシャツ
ここで一度、シャツの話に移ります。というのも袖口によってはカフリンクスを装着できない場合があるのです。オーダーのシャツであれば好きなデザインにすることが出来ますが、既製品と合わせる場合にはこの部分を事前にチェックする必要があります。
【可能】コンバーチブル
カフリンクスは袖口の両端を重ね合わせて、ボタンホールを貫通させて留めなければなりません。言い換えると、「左右両方にボタンホールが無いと使えない」ということです。
この条件をクリアしているのはテニスカフスやダブルカフス等ですが、一番主流なのはコンバーチブル(転換可能:convertible)カフスです。これは一方にボタンホールが、もう一方にボタンホールとボタン本体が配置されている物です。これにより、ボタン留めとカフリンクス留めの両方を利用可能なのです。
【不可】シングルボタン
上記と異なり、カフリンクスを利用できないのはシングルボタンカフスやダブルボタンカフス、ターンナップカフス等です。
カフスは様々な種類がありますが、今挙げた3種類はいずれもボタンホールが片側にしか配置されていません。これだけ覚えておけば大丈夫です。
カフリンクスを購入するには
それでは最後にカフリンクスをどこで購入できるのかを紹介します。購入先は大きく3つに分かれるのですが、いずれも一長一短ですのでご自身に合った購入先を選んでみてください(ちなみに私は専ら3番のオンラインショップで購入する事が多いです)。
スーツ専門店
まずはなんといってもスーツの専門店です。特に大手のスーツ量販店であればまず間違いなく品揃えがあります。
【長所】ベーシックな品揃え
大手量販店はターゲット層が非常に広いので、どんな方にも使いやすいベーシックなデザインの物を取り揃えています。その為、「派手さを抑えた堅実な物が欲しい」「興味はあるけど手が出せない」といった方に向いています。
またチェーン展開で同種類の在庫を用意しているので、気になった品を取り寄せたり別店舗で実物を確認したり等、手を出しやすい環境が整っていると言えます。
【短所】多様性に乏しい
ターゲットとしているユーザが幅広いという事は、基本的に売れ線の商品にラインナップが偏っているとも言えます。その為、カフリンクスに慣れてきて遊んだデザインが欲しくなってきた方は物足りないと感じてしまうかもしれません。
【こんな人にオススメ】
これからカフリンクスに挑戦してみたい 実物を手に取って検討したい
百貨店
続いて紹介するのは百貨店です。カフリンクスは紳士服フロアのネクタイコーナーの近くに配置されている事が多いです。
【長所】上質・ブランド物が豊富
百貨店のターゲットユーザは40代以上の為、有名ブランドが手掛けるカフリンクスが沢山並んでいます。素材を厳選したものや実力派デザイナーによるもの等多種多様です。上質なカフリンクスの数々を是非ご覧になってください。
【短所】価格が高い
これはカフリンクスに限らず百貨店の商品全体に言える事ですが、どうしても単価が高くなってしまいます。その為、よっぽど欲しい物があったりプレゼントといった機会でないと、手が出しづらいというのも事実です。
【こんな人にオススメ】
とにかく上質なカフリンクスが欲しい 記念に残るカフリンクスが欲しい
オンラインショップ
最後に紹介するのはカフリンクス専門店のオンラインショップです。先程も書きましたが私はこれが一番オススメです。
【長所】種類が豊富 / 価格を抑えられる
カフリンクスの専門店なので、とにかく種類が豊富です。普段はなかなか見られない特殊なデザインや機能付き等ユニークなカフリンクスも特徴的です。またオンライン専門店であれば人件費がかからない為、一定の品質を維持した上で販売価格を抑えることもできます。
このように書くと量販店と百貨店の良い所取りのように感じてしまいます笑
【短所】実物の確認が困難
あくまでネット上での取引となる為、実物を隅々まで確認することが出来ません。返品等も可能ですが、送料や時間がかかる場合があります。
【こんな人にオススメ】
ベーシックなデザインのカフリンクスを安く揃えたい 専門店ならではの豊富なラインナップから選びたい
格安カフスからブランドカフスまで
豊富な品揃え 鎌倉カフス工房
↑私がいつも利用しているオンラインショップです。
終わりに
カフリンクスの基本的な内容についてつらつらと書き連ねましたがいかがでしたか。
クラシックスタイルに傾注すると避けては通れないカフリンクスですが、なかなか同好の士が見つからず寂しい思いをしています。
個人的には露出面積が大きいジャケットやシャツ、ネクタイで勝負するよりもカフリンクスでワンステップアップする方がハードルは低いように感じています。ネクタイは失敗したと思ってもその場で外すことはできませんが、コンバーチブルカフスであればその場でカフリンクスを外してボタン留めに切り替える事もできますし。
なかなか代わり映えしないいつものスーツスタイルに、さりげなく上品なアクセントを加えてみませんか。
ネクタイの選び方や購入管理についてはこちら
それでは次回も、なにとぞよしなに。