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ダーウィンが来た! 第569回「進化するだまし合い!鳥の托(たく)卵最前線」 感想・紹介記事

前回は私が大好きな漫画「C-/黒咲練導」のレビューを書いたのですが、とってもとっても、ありがとう 疲れたので録画していた番組の感想を書きます。

 

aerodyne0739.hatenadiary.jp

 

最近は専らAmazonプライムでアニメ・映画を観るかNHKのバラエティを観るかの二択になることが多いです。

 

チコちゃんに叱られる美の壺知恵泉ねほりんぱほりんブラタモリ等々、近年のNHKはお堅いだけでない番組が増えてきました。

だいたい家でテレビを見ながら団らんするのは日に1~2時間程度なので、これらの録画を消化するだけで一週間を余裕で過ごせてしまいます。

 

さて、今日はタイトルにある通りダーウィンが来た!第569回の感想をとろとろと書きます。

 

今回のテーマは鳥の托卵事情。

 

 

 

かっこう

最初に登場するのは「かっこう」です。かっこうは他の鳥の巣を虎視眈々と見張り、親鳥がエサを取る為に巣を離れた隙に自らの卵を産み落とします。

 

驚くのはその速さと技能の数々!

かっこうは他の親鳥が離れた途端に巣を目指して一直線に飛んでいきます。

到着するやいなや巣に頭を突っ込んで元々あった卵を1つ地面へ落としつつ、自らの卵を1つ産み落とす!そしてすかさず巣を飛び立つ、この間わずか17秒!

一切無駄のない動きで個数調整と産卵を行っているのです。

 

さらにかっこうの卵は元々あった卵より孵化が早く、孵ったヒナかっこうは本能的に他の卵を全て地面へ落としてしまうのです。この親あってのこの子あり、恐ろしや。

 

こうしてライバルを蹴落としたかっこうのヒナは育ての親の愛情(エサ)をたっぷりと受けて成長し、自らの産卵の準備へと飛び立つのでした。

 

加えて驚くべき能力は、かっこうの卵は他の鳥の卵と見た目がそっくりの卵を産むことができるというものです。

他の鳥は斑点が多かったり殻が青かったりなど卵の外観が特徴的なのですが、かっこうはそれらに瓜二つの卵を産むことが出来るのです。

 

もちろんこれはかっこうが目にした卵をなんでもコピーできるというわけでなく、自身が産むことのできる卵と似た卵のある巣を選んで托卵しているのでしょう。

それにしてもそのバリエーションは20種類以上に及ぶと言い、同種の鳥でありながらここまで"卵の殻"が異なるのは面白いです。

 

しかし、他の親鳥達もただかっこうのヒナを育てさせられているだけではありません。

親鳥は自身の産む卵の模様に独特のパターンを持ち、それで他の鳥の卵を見分けることができるのです。

これは現代のコンピュータ分析を駆使してようやく発見できた程の極めて些細な違いであり、生命が生き延びるために培った能力の高さには舌を巻くばかりです。

 

 

ここでヒゲじいの登場!「なぜかっこうはわざわざ托卵をするのか?」

 

かっこうの先祖もかつては自ら子育てをしていました。しかし一部の個体が托卵を行い、その子孫も托卵を繰り返していきました。

次第に子育てをするかっこうの系譜は淘汰され、托卵する系譜が大多数を占めるようになると、かっこうは子育ての仕方を忘れてしまいました。

こうして今やかっこうは托卵でしか子孫を残せない種となってしまったのでした。

 

"托卵する鳥"が"托卵せざるを得ない鳥"となり、托卵する為の様々な技術を磨いていく。淘汰と適応による傾向進化はとても面白いです。

 

 

ミツオシエ

続いて紹介されたのはアフリカ大陸の「ミツオシエ」です。

 ミツオシエがターゲットとするのは、主に蜂などの虫を主食とし、地中に長い穴を掘った先に巣をつくる「ハチクイ」です。

 

ミツオシエはハチクイの親鳥が留守の間にトンネルを通り、最奥の巣へと産卵します。

 前述のかっこうは先に孵ったヒナが他の卵を巣から落としてしまいましたが、同様に先んじて孵ったミツオシエは卵を巣の外に出すことが出来ません。

その為、ミツオシエのヒナは孵った直後のハチクイのヒナを攻撃し殺してしまいます。

こうしてライバルを一通り排除したミツオシエはハチクイの親鳥が運ぶエサを独り占めして成長していきます。

 

ここで再びヒゲじいの登場!「ここまでするなんて、ハチクイが可哀そうだ!」

 

 かっこうは狙った巣の状況をつぶさに観察し、絶好のタイミングで産卵することが出来ました。しかしハチクイの巣は地中深くにある為に中の様子が全く分かりませんので、ミツオシエが孵化間近の巣に産卵してしまう場合があります。

こうなると孵化したミツオシエがいくら他のヒナを攻撃しても敵うわけがなく、結果としてミツオシエのヒナが命を落としてしまいます。

 

このように、ミツオシエにとっても托卵は一か八かの賭けであり、命を繋いでいくのは一筋縄にはいかないのです。

 

 

マダラカンムリカッコウ

最後に紹介されたのはスペインのマダラカンムリカッコウ(以下カッコウ)です。その名の通りかっこうの一種で、ターゲットはその知性と攻撃性で知られるハシボソガラス(以下カラス)です。

しかしこれらの鳥達は托卵において争うのではなく、助け合っているのです。

 

カッコウはカラスの巣に自身の卵を産みますが、通常のかっこうとは違いカラスの卵を落としたりはしません。ヒナも同様で他の卵やヒナに攻撃をしません。

さらに驚くことに、カラスもカッコウの卵やヒナを攻撃することなく受入れるのです。

 

ここで最後のヒゲじい登場!「なぜカッコウとカラスが共存しているの?」

カッコウのヒナはカラスのヒナより大きな声を出してエサを欲しがります。すると親鳥はやる気を出して、カラスのみの時よりも多くのエサを運ぶようになります。結果としてカラスのヒナが食べられるエサの量も多くなり、成長が促されます。

またカッコウの糞の出す臭いがカラスの巣を狙う天敵を追い払ってくれるのです。

 

このようにして、カッコウとカラスは托卵によってお互いに利益を享受します。

 

 

終わりに

托卵と聞くとする側がノーリスクハイリターンで寄生し、される側だけが被害を受けるものという印象があります。確かに、基本的にはそういうものなのでしょう。

 

しかし今回の特集を観るとする側がそうせざるを得ない理由やリスクのほか、必ずしも悪い事ばかりではないという面も垣間見えます。

 

ちょうど今はハロウィンが世間を騒がせています。

本来は先祖への供養を忘れないためのイベント(ってチコちゃんが言ってた)なのですが、その由来が薄れ今やただのお祭り騒ぎになりつつあります。

このような騒ぎが続くといずれは托卵のように悪いイメージが独り歩きしてしまいかねません。

 

節度をもって楽しみ、良い風習として続けていってほしいものです。

 

 

適当に書き始めたのに、長い! 次回もなにとぞよしなに。